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サイドストーリー
第9章 嘘つきは恋の始まり②
「桐生さんはきっとチコちゃんの事があったから。
俺を気にかけてくれたんだ。それがなきゃここまでの配慮はなかった。
ありがとう。チコちゃんに助けられたよ」
そういって私の目を見て苦笑した。
「そんなこと・・・ないよ。経営管理が野口さんを手放したくなかったからだよ」
「ん」
「私ね、もしNYに転属になっても別れないって決めてたんだ」
私は精一杯にっこり笑って言う。
「チコちゃん」
「天の川って140兆kmなんだって」
「ん?」
「140兆だよ!」
「うん・・・」
そこでやっと野口さんが笑顔になった。
「横浜とNYなんかたった11,000kmだよ」
「うん」
「天の川の129億分の1だよ!」
「うん」
「近いじゃん!野口さん。愛してる」
そう言ってギュッと抱きつけば
野口さんは小さい小さい吐息を1つ吐き出した。
「付き合ってても。俺の方がチコちゃんの何倍も好きだと思ってた」
「・・・・」
「いつもどこかでチコちゃんの気持ちが不安だった」
「・・・・」
「愛してくれてありがとう。俺も・・・最上級に愛してるよ」
ギュッと抱きあったこの年の七夕の夜を
私たちは忘れない。
絶対に忘れない。
END******
俺を気にかけてくれたんだ。それがなきゃここまでの配慮はなかった。
ありがとう。チコちゃんに助けられたよ」
そういって私の目を見て苦笑した。
「そんなこと・・・ないよ。経営管理が野口さんを手放したくなかったからだよ」
「ん」
「私ね、もしNYに転属になっても別れないって決めてたんだ」
私は精一杯にっこり笑って言う。
「チコちゃん」
「天の川って140兆kmなんだって」
「ん?」
「140兆だよ!」
「うん・・・」
そこでやっと野口さんが笑顔になった。
「横浜とNYなんかたった11,000kmだよ」
「うん」
「天の川の129億分の1だよ!」
「うん」
「近いじゃん!野口さん。愛してる」
そう言ってギュッと抱きつけば
野口さんは小さい小さい吐息を1つ吐き出した。
「付き合ってても。俺の方がチコちゃんの何倍も好きだと思ってた」
「・・・・」
「いつもどこかでチコちゃんの気持ちが不安だった」
「・・・・」
「愛してくれてありがとう。俺も・・・最上級に愛してるよ」
ギュッと抱きあったこの年の七夕の夜を
私たちは忘れない。
絶対に忘れない。
END******