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サイドストーリー
第13章 好きと言って③
「GWぐらい、店を閉めればいいのによ」
じいちゃんは連休は店を閉めろという。
「閉めないよ。かき入れ時だろ」
じいちゃんは俺が大学を出て店に入ってすぐに店を俺に譲った。
今では仕入れも店の休みも全て俺が決めてるんだけど。
「連休なんか皆出かけて酒屋になんか買いに来ねぇよ」
なんて笑う。
昭和一桁生まれのじいちゃんは人生をこの酒屋で過ごしてきた。
「世間は遊んでるのに。お前も少しは遊べ」
「いいんだ。遊ぶ相手もいないしな」
そんな風に茶化していう俺をちょっとさみしそうな顔で見る。
「店を継がせて、悪かったと思ってるよ」
「またその話かよ」
じいちゃんは最後まで家業の酒屋を継ぐことに反対だった。
「お前の父親や兄さんのようにサラリーマンになったって良かったんだ」
「継ぐことは俺が自分で決めたんだ」
オヤジや兄貴は酒屋を継がずにサラリーマンになった。
「こんな時代遅れの店は俺の代でおしまいでよかったんだ」
そう言うけど、昔からの酒蔵との契約で
じいちゃんの人柄か、東京ではうちにしか卸さない酒なんかもあったりして
売上は決して悪くない。
逆に酒屋なんてバカにできない売上がある。
じいちゃんのおかげだ。
俺は小さい時からこの酒屋の店番が大好きだった。
俺もこの店に育ててもらった。
じいちゃんは連休は店を閉めろという。
「閉めないよ。かき入れ時だろ」
じいちゃんは俺が大学を出て店に入ってすぐに店を俺に譲った。
今では仕入れも店の休みも全て俺が決めてるんだけど。
「連休なんか皆出かけて酒屋になんか買いに来ねぇよ」
なんて笑う。
昭和一桁生まれのじいちゃんは人生をこの酒屋で過ごしてきた。
「世間は遊んでるのに。お前も少しは遊べ」
「いいんだ。遊ぶ相手もいないしな」
そんな風に茶化していう俺をちょっとさみしそうな顔で見る。
「店を継がせて、悪かったと思ってるよ」
「またその話かよ」
じいちゃんは最後まで家業の酒屋を継ぐことに反対だった。
「お前の父親や兄さんのようにサラリーマンになったって良かったんだ」
「継ぐことは俺が自分で決めたんだ」
オヤジや兄貴は酒屋を継がずにサラリーマンになった。
「こんな時代遅れの店は俺の代でおしまいでよかったんだ」
そう言うけど、昔からの酒蔵との契約で
じいちゃんの人柄か、東京ではうちにしか卸さない酒なんかもあったりして
売上は決して悪くない。
逆に酒屋なんてバカにできない売上がある。
じいちゃんのおかげだ。
俺は小さい時からこの酒屋の店番が大好きだった。
俺もこの店に育ててもらった。