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サイドストーリー
第14章 キスマーク
「マスター。今飲んだワイン。ダースで3700円値引きします」
「おい!ゲン!」
「は?」
「その代わり。あそこのカウンターに座っている女性がこの店に来たら
ご連絡いただけますか?」
「おい!」
「彼女が来たら、ですか?」
「彼女はここにはよく来ますか?」
「いらっしゃいます」
「こちらのお店にはご迷惑おかけしませんので」
「・・・値引きは嬉しいですがお客様をお売りする事になりますので。
この話は聞かなかった事に致します」
マスターは涼しい顔で新しいワインを開け始めた。
「スミマセン」
と森川が謝っている。
「そうですね・・・失礼な申し出をしましてスミマセンでした」
俺は潔くマスターに頭を下げた。
「実は、昨日彼女のセミナーを受けたんです。
それで商品戦略の話を聞いて、こちらのお店にお邪魔した訳なんですが
どうも、俺・・・惚れたようです」
「ゲン!」
そんな俺の話をマスターは穏やかに笑って聞いていた。
「では、加藤さんもぜひウチの常連になってください。
彼女に遭遇するチャンスは多いと思いますよ」
「はい」
そう笑った俺に隣で小さくため息をついた森川は
「ま、頑張って」
と俺の肩を叩いて、マスターと商談に入った。
俺はその後カウンターでちびちびとワインを飲んでいる女から
いつまでも目が離せなかった。
END******
「おい!ゲン!」
「は?」
「その代わり。あそこのカウンターに座っている女性がこの店に来たら
ご連絡いただけますか?」
「おい!」
「彼女が来たら、ですか?」
「彼女はここにはよく来ますか?」
「いらっしゃいます」
「こちらのお店にはご迷惑おかけしませんので」
「・・・値引きは嬉しいですがお客様をお売りする事になりますので。
この話は聞かなかった事に致します」
マスターは涼しい顔で新しいワインを開け始めた。
「スミマセン」
と森川が謝っている。
「そうですね・・・失礼な申し出をしましてスミマセンでした」
俺は潔くマスターに頭を下げた。
「実は、昨日彼女のセミナーを受けたんです。
それで商品戦略の話を聞いて、こちらのお店にお邪魔した訳なんですが
どうも、俺・・・惚れたようです」
「ゲン!」
そんな俺の話をマスターは穏やかに笑って聞いていた。
「では、加藤さんもぜひウチの常連になってください。
彼女に遭遇するチャンスは多いと思いますよ」
「はい」
そう笑った俺に隣で小さくため息をついた森川は
「ま、頑張って」
と俺の肩を叩いて、マスターと商談に入った。
俺はその後カウンターでちびちびとワインを飲んでいる女から
いつまでも目が離せなかった。
END******