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サイドストーリー
第15章 ハートのエース②
「ヒロ君」

親友マサの妹のナオちゃんが俺をそう呼ぶ声が
たまらなくかわいいと思い始めたのはいつからか。
マサの家に行くと、ゲームをやったりするんだけど
たまに部屋にナオちゃんが来るとマサは極端にいやな顔をする。

でも俺は知ってる。それは意地悪じゃなくて
同級生のやつらにナオちゃんを見せたくないだけだってことを。
マサは隠しているけど絶対にシスコンだ。

俺は段々ナオちゃんと仲良くなって(ってこんだけマサんチにお邪魔してればな)
ナオちゃんは俺を「ヒロ君」って呼ぶようになった。
可愛くて、可愛くて、本当の妹ならいいのにって毎日思った。

俺たちは大して勉強しないままエスカレーターの高校に上がり
同じメンバーといつもバカな遊びをしていた。

マサの部屋でみんなでエロ本を見るようになって
マサはさらにナオちゃんを自分の部屋に寄せ付けなくなった。

ゲームをしている時もエロ本を読んでいる時も
それより、トイレに行く時にナオちゃんに会えないかな?とか
ナオちゃんがジュース持ってきてくれないかな?とか
考えるようになって、俺の頭の中はナオちゃん一色だった。

欲求不満かもと思い、手当たり次第に彼女を作ってデートをした。
キスもした。
けど、そんなの、全然上の空で相手を好きになる感情なんか芽生えなかった。

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