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サイドストーリー
第16章 噂をすれば恋
「それよりさ?すみれ、私に嘘ついたでしょ!」
「ん?」
とぼけてる、とかじゃなくて本当に「?」の様子。
「金子さんの噂!」
「ああ~シスコンだってヤツ?」
え・・・・
「ドン引きじゃないの?真樹は良いの?」
え?噂って初めからシスコン?
「シスコンって彼女より妹の方が優先なんだよ?」
うん・・・

「すみれさ。金子さん、いい男って言わなかった?」
「言ったよ?顔はいいじゃん」

あ・・・ぁ。
初めから私の勘違いなんだ。
そっか・・・
そっか。
初めから勝手に私が金子さんを女にだらしないと勘違いしていただけなんだ。

「金子さんったら妹より私が可愛いんだって♪そんなこと思ったの初めてなんだって♪」
悔しいからノロけてみる。
「あっそ」
口調はそっけないけど、喜んでくれてるのが分かる。

「きっかけ作ったのは私だからね!誰かいい人紹介しなさいよ!」

ふん!といってすみれは勝手に内線を切った。

なんとなく私もうれしくなって
すみれにもいい人が出来るといいな。
なんてニヤニヤしてたら。

後ろから
「へぇ。金子でもそんなこと言うんだ」

なんて声が飛んできて。
ビクッとして振り向けば
出社したばかりの加藤さんがニヤニヤしていた。

ヒッッ・・・・

「9時までにその顔直せよ」

そう言って自分の席に歩いて行った。

自分だって彼女の事話す時は顔崩れるくせに!

今度。加藤さんの彼女と居酒屋で会ったら
話しかけてみようかな。

そんな事を思った9時20分前だった。


END*****



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