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サイドストーリー
第22章 キスの花束を②
「山口!次の社内報の『退職する社員』の担当、やって」
柳下さんにそう言われた時はなんで?と思った。
社内報は広報部員が順番に柳下さんのアシスタントをするもので
私の番はまだまだだと思っていたからだ。
「前々回、私やりましたけど」
少し嫌味っぽくそう言えば
「『退職する社員』だけ。向こうがお前をご指名なんだよ」
という。
退職する社員は勤続10年以上で退職する人に希望制でインタビューを載せるのだけど
そもそも定年退職以外でインタビューを受けたいという人は
めったにいないからほとんどが定年のお疲れ様記事になる。
「え~。誰ですか?」
「まだ公発表になってないから、口外するなよ?」
しませんよ。柳下さんじゃあるまいし・・・
「秘書課の武田さんだ」
えっっ!
「常務秘書の武田さんですか?」
「そ。驚きだろ?退社理由は俺も知らないんだ。
とにかく武田さんがお前を指名してきた」
「私、面識ないですよ?」
「そうか。なんでだろうな?」
いかにも本当は俺がインタビューしたかったんだ!
という雰囲気を隠しもしない柳下さんだけど
残念だね。私をご指名らしい。
「もし、田舎に帰って見合いするとかだったら、すぐに俺呼んで?
俺が幸せにしますって言うから!」
「はいはい・・・」
そんな柳下さんはほっといて、私は指定された時間に
第1会議室に行くことにした。
第1会議室はめったに使われない会議室で
椅子ではなくソファーだ。
会議や商談には向いていない作りで
役付きのお客様用が主な使用目的なんだけど・・・
本当に第1で合ってるよね?
柳下さんにそう言われた時はなんで?と思った。
社内報は広報部員が順番に柳下さんのアシスタントをするもので
私の番はまだまだだと思っていたからだ。
「前々回、私やりましたけど」
少し嫌味っぽくそう言えば
「『退職する社員』だけ。向こうがお前をご指名なんだよ」
という。
退職する社員は勤続10年以上で退職する人に希望制でインタビューを載せるのだけど
そもそも定年退職以外でインタビューを受けたいという人は
めったにいないからほとんどが定年のお疲れ様記事になる。
「え~。誰ですか?」
「まだ公発表になってないから、口外するなよ?」
しませんよ。柳下さんじゃあるまいし・・・
「秘書課の武田さんだ」
えっっ!
「常務秘書の武田さんですか?」
「そ。驚きだろ?退社理由は俺も知らないんだ。
とにかく武田さんがお前を指名してきた」
「私、面識ないですよ?」
「そうか。なんでだろうな?」
いかにも本当は俺がインタビューしたかったんだ!
という雰囲気を隠しもしない柳下さんだけど
残念だね。私をご指名らしい。
「もし、田舎に帰って見合いするとかだったら、すぐに俺呼んで?
俺が幸せにしますって言うから!」
「はいはい・・・」
そんな柳下さんはほっといて、私は指定された時間に
第1会議室に行くことにした。
第1会議室はめったに使われない会議室で
椅子ではなくソファーだ。
会議や商談には向いていない作りで
役付きのお客様用が主な使用目的なんだけど・・・
本当に第1で合ってるよね?