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サイドストーリー
第22章 キスの花束を②
「失礼します・・・」
そう言って入った会議室にはすでに武田さんが来ていた。
相変わらずお美しい。
噂では40歳になるというのに
この美しさは全然30代前半でOKだ。

「時間指定までしてしまってごめんなさいね」

優しく笑う武田さんはいい匂いがした。

その時
「遅れてごめん」
と海外事業部の森川さんが会議室に滑り込んできた。
「森川さん?」

武田さんを見てにっこり笑った森川さんは
武田さんの隣に座った。
私は訳が分からず「?」の顔をしていると

「第1を予約したけどソファーで辛くない?」
なんて森川さんは武田さんを気遣った。

武田さんは大丈夫。と笑顔で答えてから私に向きなおって
「来月、退職する予定なの」 と言った。
「はい。退職理由は伺ってもよろしいですか?」
そこで2人が顔を見合わせた。
まさか!寿退職!
森川さんと武田さんの結婚?

そんな風にビックリしていたらさらに驚く事を言いだした。
「ふふ。この年で恥ずかしいのだけど。
赤ちゃんを授かったの。育児休暇を取ろうか悩んだんだけど。
私、この年まで仕事はメいっぱいさせてもらったわ。
これからは赤ちゃんにその時間をあげようと思って」

と、優しく笑った。

「何言ってるんだよ。紗江子さんは妊娠して恥ずかしい年なんかじゃないだろ!」
「でももう。40だもの」
「いくつになっても綺麗だよ」

と、目の前の二人は今にもキスをしそうな勢いだ。
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