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サイドストーリー
第24章 数学のセンセイ②
あぁ、見られたくない場面を見られた。
慌てることなく、そんなことを頭の片隅で思っていた。
こんなのを見たくないからこそ、弥生ちゃんは来るのを嫌がったのに。

腕にまとわりつく女をもう、拒絶するのもめんどくさくなった。

逃げるのか?

いつもだったらそのまま方向転換する弥生ちゃんを
追いかけるか迷っていた。

次の瞬間、俺たちの前にゆっくりと歩いて来て
「智樹、そろそろ終わり?」
と俺に笑いかけた。

「なに?智樹のお姉さん?」
「――いや」
俺の視線は弥生ちゃんから離さない。
「俺の彼女」

「ええぇ!彼女?智樹の?」
サークルのメンバーの視線が一斉に弥生ちゃんに向けられた。
「俺、彼女がいるって言ったよな?」
「だ、誰も見たことがないから、女よけの嘘だと思ってた」

「いや。こいつが俺の彼女」
弥生ちゃんは何も言わない。
きっと・・・・
ここに立っているだけで精一杯なんだろう。

「弥生ちゃん。後20分で終わる。一緒に帰ろう」
「うん・・・あの、打ち上げは?」

「いやいい。弥生ちゃんとセックスしてぇ」

俺の発言にサークルのメンバーがギョッとしてさらに注目を浴びた。

「ふふ。待ってる。一緒に帰ろう」

小さく息を吐き出してきれいに笑った。

ねぇ、弥生ちゃん。
俺がどれだけ好きか分かってよ。
自分がどれだけ愛されてるか自信を持ってよ。
同級生の女なんか蹴散らしてやるよ。

「今日は寝かせないから」

そんな言葉に真っ赤になりながら小さくコクンとうなづいた。


END*****

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