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第28章 記憶

俺が1歳になる少し前に奈都は産まれた。



だから、記憶なんて残ってるはずがない。



でも、ちゃんと写真が残ってる。


淡い夢なんかいくらだって見てきた。


そして、その夢をいつも粉々に打ち砕く証拠。
















まさに産み落とされたばかりの奈都を抱く母さんと
幸せそうに笑った父さんに抱かれた俺。











そう、間違いなく、奈都は父さんと母さんの子で
俺たちは兄妹だ。