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第29章 誕生日

「何、お前ら付き合ってんの？」

教室に戻ると、親友の山下亮平(やましたりょうへい)が
俺の目の前の席に腰掛けて聞いてきた。

「あぁ………」


親友に嘘をつくのは申し訳ないけど
こればかりは誰にも知られるわけにいかない。

「マジかよ！
俺、しいなのこと狙ってたんだぜ？」

亮平はがっくりと首をもたげて言った。

「お前は、女なら全員狙ってんだろうが」

「まぁねぇー！」

もたげた顔をさっとあげておどけてみせる。

「亮平、しいなって苗字じゃないらしいぞ」

俺が言うと

「え！？そうなの！？」

亮平は驚いて目を丸くした。
その表情がおかしくてケタケタ笑う。








やっぱ、苗字だと思うよなぁ？