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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第11章 後宮艶夜*スキャンダル 接近~二つの心~
「遣いにも言わせたでしょう。毎朝、花を届けてくれる礼がしたいと」
「―」
 だが、太后の美しい面には微笑は浮かんでいても、眼は笑っていない。これはやはり、単なる礼だけではないとは紫蘭にも見当はつく。
 紫蘭が固まっているのを前に、太后は余裕で宮女が運んできた茶を飲んでいる。
「石榴茶よ。栄から取り寄せたものなの」
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