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第11章 後宮艶夜＊スキャンダル　接近～二つの心～

　愕き渾身の力でもがいたものの、非力な女の力では所詮男には敵わない。翠容はしばらくもがいた後、ふいに背中に突き立てられた一撃で呆気なく事切れた。
　翠容を襲った覆面の男は翠容の懐を探り、錦の袋に収まった書状を奪い、さっさと遁走した。後には背中に深々と短剣を突き立てられた翠容が倒れ伏し、周囲を血の色に染めているだけだった―。