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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第11章 後宮艶夜*スキャンダル 接近~二つの心~
 翠容を襲った男は人目を忍んで翠容が辿ったのと同じ道筋を辿り、宮殿に入った。そして、ひそかに浄心院の入り口に当たる門で待ち受けていた宮女と接触し、奪った手紙と引き替えに翡翠の豪奢な腕輪を受け取った。辺りはそろそろ闇の色に染まる時間になっている。腕輪を受け取った男はほどなく闇に溶け込むようにかき消えた。
 紫蘭の書いた手紙を太后が室で宮女から受け取っていたのとほぼ時を同じくした頃。
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