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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第13章 後宮艶夜*スキャンダル 嫉妬~心に巣喰う魔物~

季節はめぐり、刻はうつろう。紫蘭が徳治帝の後宮に入って、はや三つの季節を数えた。同じ年の五の月、宮殿の広大な庭園の一角は紫蘭の花で埋め尽くされた。
その頃、紫蘭は頼んで布を取り寄せて貰い、袍を仕立てていた。今、丹精の甲斐あって仕立ては終わり、後は刺繍を施すだけとなった。刺繍がなかなかの難作業で、根気と時間の要る仕事だ。五本の爪を持つ龍が飛翔する様を金糸と銀糸で豪奢に描いてゆく。もちろん、皇帝の着用する龍袍であった。
その頃、紫蘭は頼んで布を取り寄せて貰い、袍を仕立てていた。今、丹精の甲斐あって仕立ては終わり、後は刺繍を施すだけとなった。刺繍がなかなかの難作業で、根気と時間の要る仕事だ。五本の爪を持つ龍が飛翔する様を金糸と銀糸で豪奢に描いてゆく。もちろん、皇帝の着用する龍袍であった。

