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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第13章 後宮艶夜*スキャンダル 嫉妬~心に巣喰う魔物~
「紫蘭、逢いたかったぞ」
 今朝も夜が白々と明けるまで臥所を共にしていたのに、大仰な科白はいつものことだ。紫蘭は頓着せず、艶やかに微笑んだ。
「私もお逢いしとうございました、陛下」
 最近では、こんな軽口もきけるようになってきた。
 皇帝がふと紫蘭の手許に眼をやった。
「これは?」
 紫蘭は狼狽え、手許の龍袍を咄嗟に後ろ手に隠した。
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