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第13章 後宮艶夜＊スキャンダル　嫉妬～心に巣喰う魔物～

　翠容が行方不明であるのを知っているのは紫蘭の他には実家の兄蒙義だけだ。が、その蒙義からの翠容についての伝言を預かっているというなら、皇帝も恐らくは事の経緯を既に兄から聞かされているのだろう。
　とはいえ、まだ迂闊なことは喋れない。紫蘭は涙を浮かべて皇帝を見つめた。
　皇帝がやれやれと言いたげに首を振った。
「そんな眼で見ないでくれ。あれだけ閨で泣かせておいて今更だが、俺はそなたが哀しむのを見ると、どうして良いか判らなくなる」