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後宮艶夜*スキャンダル~鳥籠の姫君は月夜に啼く~
第13章 後宮艶夜*スキャンダル 嫉妬~心に巣喰う魔物~

紫蘭の瞳にまた涙が溢れた。実の母よりも乳母よりも、翠容は誰よりも紫蘭に近い存在だったのだ。ちなみに、紫蘭の母は現在、隠居して地方の別荘で静養中の父宗典の側で共に暮らしている。
涙の雫がすべらかな頬をころがり落ちたその時、ふいに背後からそっと目隠しをされた。
「どなた?」
「誰だか判るか?」
その声に、紫蘭は知らず微笑む。そっと目隠しをした大きな手のひらを手で押さえると、馴染んだその温もりが伝わってくる。
涙の雫がすべらかな頬をころがり落ちたその時、ふいに背後からそっと目隠しをされた。
「どなた?」
「誰だか判るか?」
その声に、紫蘭は知らず微笑む。そっと目隠しをした大きな手のひらを手で押さえると、馴染んだその温もりが伝わってくる。

