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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第3章   

「……なら……」

 今すぐ自分の腰の上から退けてくれ。

 そう言外に滲ませたのに、

「でもごめん。やめてやれない」

 匠海の続けたその言葉達からは、

 やはり己の感情だけを押し付けてくる狡さしか、伝わって来なかったのだ。

「この6日間、ずっと本物の――目の前にいるお前だけを見ていた……。

 こんなに傍にいるのに、抱き締める事さえ出来なくて。

 ヴィクトリアの声を聞くだけで、気配を感じるだけで、

 魂が震え上がる程、一喜一憂していたのに、

 その気持ちをも、示せなくて……っ 

 本当に、気が狂うかと思った――っ」
 
 吐き捨てる口ぶりで己の心の内を吐露する匠海に、

 ヴィヴィの中には、苛立ちと失望が混在し。

 そして、その2つの感情に、

 ほんの微かに芽生えていた同情の念は、瞬く間に覆い隠された。

「もう自分を抑えられない。ヴィクトリア……。俺はお前が欲しい」

 自分本位に結論付けた匠海は、今度こそ本気でヴィヴィに覆い被さってきた。

「ぃ……いや……っ やだっ やめて……っ!!」

 必死に上半身をよじるヴィヴィに、

「ごめんな、ヴィクトリア」

 そう謝りながらも、匠海は拘束した両手首を、再度頭の上で押し留めてしまい。

 露わになった二の腕の内側――普段 人に触れられる事のない敏感なそこを、

 熱くぬめった舌が這い始めた。

「ひぅっ!? やっ あ、やめ……っ ん、んぅっ」

 顔のすぐ傍、兄の端正な顔が、無心に自分の生白い肌を舐めていて。

 あまりの卑猥さに、反対側に顔を背けた妹に、

 兄は意地悪く、そちらの方の腕の内側を舌で愛し始める始末で。

「……っ!? やっ め……っ んっ そ、んな……っ」

 感じたくなんてないのに。

 柔い皮膚を啄ばまれるだけで、

 ぬるると舌を這わされるだけで、

 全身がぴくぴくと痙攣し、甘苦しい痺れが胸を締め付けてくる。

 そんなヴィヴィの気持ちなど、手に取るように判るのか。

 押さえつけていない方の掌が、ゆっくりと肌の上を這い始めた。

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