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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第3章   

「はぁ、すごい締め付け……。ヴィクトリア。お兄ちゃんの指、折れてしまうよ」

 兄の囁きも耳に入らず、とうとう両腕で顔を隠してしまったヴィヴィ。

(も、ダメ……っ お兄ちゃんの指で、イ、イっちゃうよぉ……っ)

 今は、クリトリスへの刺激は止められているが、

 次に撫でられた途端に達してしまいそうなほど、ヴィヴィは切羽詰まった状態に陥っていた。

「おや、可愛い顔が見えなくなった。じゃあ、ヴィクトリアのちっちゃなここ、舐めちゃおうかな?」

「だ……、だ……め……っ」

 弱々しく声だけで抵抗するヴィヴィ。

「駄目? じゃあ、顔を隠すの辞めようか」

「や、やぁ……っ」

 羞恥と快楽で訳が解らなくなってきたヴィヴィは、何もかも嫌だと突っぱねるしかなくて。

「じゃあ、選ばせてあげよう。顔見られながらイっちゃうのと、クリ舐められながらイっちゃうの。どっちがいい?」

「どっち、も、やだぁ~~っ! お、にぃ、ちゃんの、馬鹿ぁ~~~っ」

 そう掠れた声で叫んだヴィヴィは、泣き出す寸前だった。

 と言うか、何なんだその選択肢は。

 「ここで辞める」という、あるべき筈の3番目の選択肢は何処へ行った?

「ふうん……。なるほどね。俺、よっぽどお前に嫌われてるんだな……」

 少し凹んだ様子で零した匠海は、意外にも呆気無く、妹の膣から2本の指を引き抜いてしまった。

 やっと甘い責め苦から解放されたヴィヴィはというと、

 羽毛布団の上でくたりと弛緩していた。

(よ、良かった……。こ、これくらい? なら、せ、セックスにはカウントされないよね……?)

 達する寸前で放り出されたにも関わらず、今のヴィヴィにとってはその事実の方が重要で。

 きしりとスプリングを軋ませてベッドから降りた兄は、そのままベッドルームから出て行ってしまった。

 流石に、こんなに「イヤイヤ」ばかり言う女に、愛想を尽かしてくれたのだろう。

「………………」

 静かになったベッドルームに放置されたヴィヴィは、微妙な面持ちでしばし横たわっていたが。

 こうしている間に、兄が心変わりして戻って来ないとも解らず。

 なんとか拘束されている両手首を解こうと、バスローブの紐の結び目に白い歯で噛み付いた。

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