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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第6章     

 そんな中、唯一あった変化といえば。

「え……? じゃあ、クリス。彼女 出来たんだ?」

 「今夜、レッスン後に外出し、もしかしたら、戻らないかも……」と伝えてきたクリスに、その理由を聞いたところ、

 「ちょっと、女性と約束がある……」と、気になる返事が返ってきて。

 ヴィヴィは驚いて、そう尋ね返したのだが、

「違う……」

「え?」

「彼女では、ない……」

 何故か歯切れの悪いクリスに、

「え……? あ、ガールフレンド?」

 まだアプローチ段階なのかな? と、ヴィヴィは小首を傾げたが。

「そうじゃ、なくて……。彼女と僕は、互いの利害関係が一致して、関わりを持ってる、だけ……」

「はあ……」

 “互いの利害関係が一致”

 それは果たして、趣味嗜好が合うとか――?

 しかし、ヴィヴィのその予想は、大きく外れていた。

「まあ、ありていに言えば、セフレ……?」

「………………」

 一瞬聞き間違えたかと、我が耳を疑ったが。

 いつも通り無表情のクリスは、若干眠そうではあるが、真っ直ぐヴィヴィを見つめていて。

(えっと……。聞き間違いじゃないよね……?

 クリスは確かに今 “セフレ” って……)

「あ、セフレって、分かる……? セックス・フレ――」

「ん゛にゃあっ!? し、知ってるようっ!!」

 どんだけ「妹が世間に疎い」と思っているのか。

 ご丁寧に “セフレ” の意味を説いて来ようとする兄を、妹は必死に叫んで止めた。

「にゃあ……て……」

 猫みたいな声を上げた片割れを、クリスは腕を伸ばし、金色の頭を撫でなでしてくるが。

 当のヴィヴィは、それどころでは無かった。

(そ、そうか……。クリスだって、21歳の健全な男子。

 つまり、ヤリたい盛り――あわわっ じゃなくって! えっと……っ)


―――――――

※ちなみに、英語でセフレは、
 friend with benefits(利益のある友達?)
 fuck-buddy(フ○ックの相手?)
 sex friend(そのまま)
 等と言うらしい……。(*゚Д゚*)ファ...

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