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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第6章     

 互いにバスを使った後、ヴィヴィのキングサイズの白ベッドの上に、飛び乗った2人。

 今日撮った観光の写真を、iPadで見返しながら、きゃっきゃと騒いでいた。

「あ、そうだ。忘れるとこだった。うちのママとパパが「双子ちゃんに、くれぐれもよろしく」って言ってたよ」

 円のその言葉に、ヴィヴィも思い出す。

「ああ、そうだった。真行寺ママから、お電話頂いたよ? 私達、ちょうど留守だったんだけど。朝比奈が「丁寧なお電話を頂戴致しました」って言ってた~」

「あ~。それはそれは、お世話様でした」

 母親が親友の家に電話を入れるのが こそばゆいのか、はにかんだ円が可愛くて。

「ふふっ」

 思わずヴィヴィも微笑んでしまう。

「太一さんって、お母さん似だよね~。美人さん」

 1ヶ月半前にお宅にお世話になり、一緒に食卓を囲んだ真行寺の母親を思い浮かべながら、そう言うと、

「あ~……、そ、だねえ。そう言えば、ヴィヴィも お母さん似だよね~?」

 間延びした声で答えた円に、ヴィヴィは思いっきり不満そうな声を上げた。

「え゛~~……」

 薄々感付いてはいたが、自分はどうもグレコリーより、ジュリアンと顔のパーツが似ているらしい。

 ジュリアンだって結構な美人なのだが、如何せん、ヴィヴィの中での母の印象が “鬼コーチ” なので。

 どうしても、母親似であると認めたくなくて。

(でも、ということは、クリスも “母親似” か……)

「円は ご両親のどちらとも、あんまり似てないね?」

 以前、真行寺家のパーティーで、初めて両親を紹介された時に覚えた “違和感” を、ヴィヴィは何の気無しに口にした。

 だから、

「ああ、だって。血、ちょびっとしか繋がってないからねえ~」

 そう さらっと返された円の言葉が、すぐには理解出来なくて。

「…………へ…………?」

 狐につままれた表情を浮かべるヴィヴィに、円は羽枕に頭を乗せたまま、見つめてきて。

「私は “ママの従姉の子供” なの」

「………………」

 初めて知らされた円の境遇に、ヴィヴィは ただただ驚いていた。

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