この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第6章
「うふふ、分かったワ」
つけ睫毛に縁どられた緑色の瞳を細めた同居人に、ヴィヴィは濡れた両手そのままに、カニ歩きで近寄り、
ワンピから剥き出しの二の腕に、己の半身をぴったりと寄せる。
「ありがと、ダリル。大好きよ」
「うふふ。アタシもよ。ヴィヴィ」
金色の頭に、ちゅっとキスを落としたダリル。
「……いちゃいちゃ してる……」
いつから そこに居たのか。
キッチンとダイニングを繋ぐ戸口に、羨ましそうに呟いたクリスが佇んでいて。
「へへ、クリス も 大~好きぃ~~♡」
にっこり笑ったヴィヴィに、
「うふふ、アタシも、クリス が だぁ~いすきぃ~~❤」
にんまり嗤ったダリル。
可愛い妹と、何か怖い同居人に、
「……それは、どうも……。光栄、です……」
クリスはいつも通りの無表情のまま、そうぼそりと呟くのだった。
ちなみに、翌朝――
「お゛~は゛~よ゛~」
無精ひげを生やしたまま、寝起きのガラガラ声で起きてきた “男のダリル” に出くわした真行寺兄妹は、
初めて目にした “男おとこ” した彼に、
「「~~~っ!?」」
揃って朝っぱらから、超度肝を抜かれたのは、言うまでも無い――。
8月27日(日)の昼からは、午前中いっぱい滑り込んだ双子も揃い。
イーストロンドンのヴィクトリア・パークまで足を延ばし、夏フェスに参加した。
芝生の広がる特設ステージでは、ジャズ演奏が行われ。
昨年 渡英した際に、すっかりお気に入りになったピムスを傾けながら、円も太一も至極ご満悦だ。
朝比奈が用意してくれた、美味しいおつまみ等が ぎっしり詰め込まれたバスケット。
会場に沢山ある屋台で買い込んだバーベキュー(肉とソーセージを炭火で焼き、パンに挟んだだけのシンプルなもの)も美味しくて。
「ふはぁ~~、幸せ~~♡」と、円。
「ピムス、やっぱり癖になる味わい」と、太一。