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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第6章     

 流石に男性陣は、走る速度も速くて。

 着いて行く気も更々無いヴィヴィは、また自分のペースでタッタカ走っていた。

(以下、『ファミコンウォーズが出~るぞ?』のメロディーで by 作者)

♪教官「My old granny, she’s 91!」
 「「「My old granny, she’s 91!」」」
    ―お~れのばあちゃんは きゅうじゅういち~っ!

 教官「She does PT just for fun!」
 「「「She does PT just for fun!」」」
    ―ば~ちゃんはトレーニング だいす~きっ!♪

 脳内で、米軍トレーニングの掛け声を1人上げながら、ノリノリで走っていると。

 数分後。
 
 後ろから追い付いて来たデニスが、速度を落とし並走してきた。

「ホテルのジム、もっと早朝から、オープンしてると、いいのにね?」

(だったら、プールで がむしゃらに泳ぎまくれるのにぃ~~)

 スピードを保ちながらも、残念そうに零したヴィヴィに、

「そうだね。特にアイス・ダンスと、ペアの男性陣は、ワーク・アウト、出来るからね」

 強靭な筋力と肉体がものを言う、上記男性スケーターの身になったデニスに、ヴィヴィはにっこり微笑んで頷いた。

 それからぽつりぽつりと、世間話をしながらホテル周辺を周回していた2人。

 もう1時間近く走り込んだヴィヴィは、そろそろ終わりにしようと、速度を落として行けば。

 何故かデニスも、同じく歩き始めて。

 金色の柔らかな髪の下、25歳ながら どこかチャーミングな黒い瞳が、じっと自分を見下ろしてくる。

「デニス?」

 10cm上にある “お伽の国の王子様” の顔を見上げれば、

「ヴィヴィ、男性と付き合った事、無いんだって?」

 そんな まさかな問いが降って来て。

「へ?」

 思わず間抜けな声を上げたヴィヴィ。

 クリスが誤魔化してくれた、

『異性と友達以上の関係性を築くのに、不安があるみたい』

 という回答で、

 デニスはどうやら、大いなる勘違いをしてしまったらしい。


―――――
※1988年代に、ファミコンウォーズのCMで使われたミリタリーケイデンス(米軍訓練の掛け声)
 ……だから、年バレるって(笑)

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