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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第6章     

「ひゃぅうっ!? あ、あんっ やめてぇ……」

 待ち侘びた太いものに歓喜する媚肉は、

 しっかりと貴方を抱き締め、

 快楽に うっとり酔い知れているのに。
 
 なのに、

 視界いっぱい、あたし を蹂躙する貴方の怒張が、

 怖くて。

 何だか、途轍もなく恐ろしくて。

 脅えて小刻みに震える躰を、涙の滲む視界の中、ぐっと堪える。

 けれど、

「俺の……沈み込んで、いくな……?」

 貴方が幸せそうに、そう囁けば、

 この薄っぺらい躰でも、

 あたし でも、

 貴方を幸福に導けるのかも――と、

 淡い期待に、肌という肌が粟立ち始めた。

「このまま、子宮のお口、トントンしたら」

 そう囁きながら、まだ収まりきらぬ肉竿を、

 小刻みに抜き差ししながら、ぬぷぬぷと沈めていく様子に、

「……~~っ やっ! だ、ダメっ」

 最奥を突かれた時を想像し、

 先走ってぎゅううと 貴方を締め付けてしまう あたし。

「ヴィクトリア、どうなっちゃうかな?」

 己が喰い絞めに苛まれ、甘い嬌声を零し続ける あたしに、

 両膝を外へと開いた 貴方が、

 あたし へと どんどん沈み込んで来て。

 2人の間にあった筈の隙間が、見えなくなった、その時――



 ぼんっ という効果音に相応しく、瞬時にゆでダコになってしまったヴィヴィ。

「あわわわわわ~~~っ!!!」

 非常階段の途中。

 己の視た夢に腰砕けになったヴィヴィは、へなへなと その場にしゃがみ込んでしまった。



 もう、何なのぉ……?

 なんでこんな夢ばっかり、視ちゃうのぉ?

 私ってば、どんだけ欲求不満なんだろう。

 っていうか、夢って “願望の現れ” って言うよね?

 ってことは、私……。

 お兄ちゃんに、あんな事、されたいって――



「~~~っ 思ってないもんっ!!!」

 所謂、ま○ぐりがえし(ヴィヴィは名前知らない)をされたいなど、今まで一度も思ったことも無い。

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