この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第9章       

「さあ、篠宮の得点どうでしょうか?」

 刈谷アナがそう発して、しばらくし。

『篠宮さんの得点――75.01。現在の順位は、第1位です』

 その場内アナウンスに、コーチとふんふん頷き合ったヴィヴィ。

 湧き上がる場内に、立ち上がって両腕を振って応えていた。

「75.01――!! 初戦で高い得点が出ました。もちろんトップに立ちました、篠宮 ヴィクトリア! SPトップで、明日のFSへと折り返します。さすがの篠宮の演技でした」

 そこで映像が切り替わり。

 次いで映し出されたのは、バックヤードを歩いて来る、ヴィヴィの姿。

 タオルでぺぺっと汗を拭うと、テレビカメラとアナウンサーの前で居住まいを正す。

「篠宮 ヴィクトリア選手です。お疲れ様でした」

「はい、お疲れ様でした~」

 演技直後、少々ぼ~とした表情で、ぺこりとお辞儀する姿が映し出される。

「演技が終わって、笑顔も出ていましたが?」

「え~……、落ち着いて出来たと、思います」

 疲れているのか、ぼんやりした返事のヴィヴィに、男性アナが突っ込んでくる。

「トリプルアクセルは、どんな感触でした?」

「ええと……。ちょっと、本来の軸より、ほんのちょっとだけ前傾になって……。強引に降りちゃって……。まあ、今日は失敗とかでは無く。しっかりとした形でのジャンプでしたので。明日に繋がるジャンプだったとは思います」

 言葉を選び、最後に口角を上げたヴィヴィ。

「演技全体を見ても、観客の皆様が引き込まれる演技だったと思いますが?」

「あ~……ええと、そうですね。タンゴ、なので」

「タンゴというと、どういうところを工夫されているのですか?」

「ん……と、ああ、そうだ。今日は「ワルイ女になって誘惑してやるぞ~」って思いながら滑ってました」

 そのあっけらかんとした回答に、周りのスタッフから笑いが起きる。

/1163ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ