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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第13章      

「マコちゃん(真瑚)とか、女子の髪引っ張って泣かせる、とんでもない悪ガキだったし~」

 口火を切ったのは川畑 トモエ。

 東京に拠点を置く彼女は、ジャンプ・スピードに優れたスケーター。

「うっせ」

 トモエのからかいに白い歯を剥いておどけたのは、西森 真瑚(しんご)――通称・マコちゃん。

 彼も東京に拠点を置いている。

「高ちゃん(高四郎)の印象はとにかく「可愛い!」だったな~。もうその辺の女の子が裸足で逃げ出すくらいの愛らしさで♡」

 くりんくりんの瞳を島田  高四郎に向けたのは、竹内 粋(すい)。

 伸びやかで溌剌とした演技とジャンプの精度に定評のある、愛知を拠点としたスケーター。

「どうせ僕はチビだったよ!」

 両拳を握り締め悔しがる高四郎に、昔を懐かしんだヴィヴィがにっこり微笑む。

「だったよね~。高ちゃん丸顔だから、笑うとクシャッとなって~♡」

「スマイルマーク、みたいな……」

 妹に続き追い打ちをかけるクリス。

「でも今は、女子の中で一番高いヴィヴィと、同じ身長まで成長したからね!」

 165cmまで成長した事を、誇らしげに自慢する高四郎だが、

 彼は低身長だった故、身体を大きく見せる表現力に長けたスケーターへと成長した。

 愛媛出身の高四郎は、現在、関西大学を引っ張る頼もしいリーダーだ。

 各々の初対面の印象を、面白おかしく語り合っていた面々だが、

「俺のヴィヴィの第一印象は、毎回 野辺山合宿に来る度ブーたれてたことかな~」

 肘掛けに片肘を付き一重の瞳を細めた真瑚に、その場にいたメンバーは何故か「プっ!」と吹き出した。

「あ~、確かにね!」

「そうだったね、あははっ」

 女子2人がケラケラ笑う隣、指摘されたヴィヴィは微妙な表情を浮かべるだけで。

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