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第13章 　　 　　

　４月３日（水）から行われた　世界フィギュア国別対抗選手権。

　最終日の７日（日）　

　１４時から行われたエキシビションで、ヴィヴィは『Diamonds are a girl's best friend』を披露したのだが。

　演技中、両膝でツイズルをするだけでは飽き足らず、

　スピンでふら付き　まさかの　“お尻スピン”　を披露してしまうという、ハプニングもあり。

　珍ミスも笑いに変えたスケーターのプレゼントボックスには、ノリのいいファンからの湿布の差し入れがあったのだった。



　その日の夜は、東京駅傍のホテルに宿泊し（クリスは松濤の屋敷に戻った）。

　そうして待ちに待った翌日――４月８日（月）

　東京駅前に集合したのは、下記のメンバーだった。


男子シングル――

　島田　高四郎（21）

　西森　真瑚（21）　

　篠宮　クリス（21）　

女子シングル――

　川畑　トモエ（21）　

　竹内　粋（21）　

　篠宮　ヴィクトリア（21）　


　何故ならば、富士山テレビ　Presents

『今シーズンもお疲れ様！　

　フィギュア・チーム２１と巡るワクテカ富士山ツアー！！』

という２時間スペシャル番組の撮影の為だった。



　昨年末「全日本選手権で大活躍した２１歳メンバーで旅番組をしたい」と企画を持ちかけてきた、同テレビ局の岡プロデューサーは、

　本当に言葉通り上に掛け合い、旅番組を実現してくれた。

　かくして上記の２１歳６名は、東京駅傍にドンと着けられた大型バスに乗り込み、一路　富士山へ向かって出発した。



　後部をサロン風にした座席周りは、よくテレビで見るように煌びやかにデコレートされており。

　テーブルを囲んで座した、６名の現役スケーター。

　ディレクター・アナウンサー・複数のカメラマン・音声　照明等の技術スタッフ、

　そしてマネージャー達と、広いバスの中は結構な賑やかさ。

　もちろん２時間のバス移動中も、カメラは回されており。

　男性アナウンサーの、

「皆さんは小さな頃からのお付き合いとの事ですが、お互いの第一印象はどうでしたか？」

という質問に顔を見合わせた６人は、１０年以上前の遠い昔の記憶を手繰り寄せていた。