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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第13章      

 結局 計4時間も爆睡したヴィヴィは「ランチできたぞ」と促す匠海により、揺り起こされた。

 ノンレム睡眠 真っ只中に覚醒させられ、脳も身体もフラフラな中で摂ったランチは、

 たぶん、ほうれん草のニョッキだった気がする――てか、ほぼ覚えていない。

 さすがにこれ以上寝るのも逆に辛く、出されたブラックコーヒーをちびちび飲んでいたのだが。

(……なんやねん……)

 ようやくハッキリしてきた脳味噌の中、そう零した訳は、

 目の前のテーブルに陣取り、こちらを嬉しそうに見つめてくる匠海がウザかったから。

 お行儀悪く両肘を付き、掌で包んでいたマグカップ越し、

 胡乱な眼差しを隠す事無く投げ付けた妹は、細く高い鼻から盛大な溜め息を漏らした。

「ん? どうした?」

「………………」


 おやおや。

 「どうした?」――と来ましたか。

 どうしたもこうしたもあるか。

 何故自分がここに居るのか。

 その理由と鍵を握っているのは、この兄に他ならないのに。


 更に目が坐ったヴィヴィは、不機嫌丸出しで要求を口にする。

「……帰りたい、んですけど……」

「どうして?」

「………………」


 け。

 「どうして?」――ですと?

 白々しい。

 真行寺兄妹に昨夜の無礼を謝り&会いに行きたいし。

 夜練の為にリンクにだって行きたい。

 というか “匠海が近寄らない” という保証付きならば、真っ先に松濤の屋敷に戻りゆっくりしたい。

 それより何より、

 昔の男に弱みを握られ かつ 一つ屋根の下で2人きり というこれ以上無い最悪の状況で、

 軟禁状態の女が「帰りたい」と願うのは当然だろう――?


 もはや睨みを通り越し、恨めし気にガン飛ばしまくりな妹に、

 心外そうに片眉を跳ね上げた兄は、勿体ぶった仕草で胸の前に両腕を組み。

「ふむ……。じゃあヴィヴィ、俺と “ゲーム” をしようか」

 そんな唐突な提案を寄越したのである。





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