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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第13章      

「……っ!? えぇぇええええええ~~~っ!!!!」

「「待った」はもう無し~~。はい、終了~~」

 不満の声を上げる妹にも、流石にゲームに疲れたのか、兄は一連の “ゲーム” の終了を勝手に宣言してしまった。

 それもそうだろう。


 エッグ・ハント 0勝2敗

 ポーカー    0勝3敗

 チェス     0勝2敗


 どんだけ “泣きの1回” を強請れば気が済むんだという妹の戦績と、

 あまりにも手応えの無い対戦相手では、匠海が飽きてしまうのは当然で。

 そして鈍感なヴィヴィでも、流石に自分の浅はかな思い込みが誤りであったと気付いていた。

 そう。

 匠海は “ゲームが苦手” なのではない。

 6歳も下の双子が自分と互角に戦える筈が無いと、これまで兄はわざと負け続けてくれて、

 そして猫可愛がりしていた双子に、そうとは気付かれる事無く花を持たせてくれてきたのだ。

「……~~っ 何が望みっ?」

 開き直りも甚だしく、ソファーから仁王立ちで立ち上がったヴィヴィ。

 そんな妹に、兄はいつの間に用意していたのか、ソファーの座面に置いていた紙のショッパーを手渡してくる。

「じゃあ、これを着てくれ」

「……これ、何……?」

 受け取ったそれは思いのほか軽くて。

「だから、見てのお楽しみだって」

 そう言ってにやりと嗤って寄越す匠海に、ヴィヴィは嫌な予感しかしなかったが、

 結局 敗者は勝者の要求に刃向う事さえ許されず、すごすごと1階のバスルームへと消えて行ったのだった。




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