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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第13章      

 きっちり施錠されたバスルームの脱衣所。

 そこで預かった紙袋を覗くヴィヴィの様子はというと、何故か恐々といった感じだった。

 それもその筈。

 6歳上の兄が今まで、懸想する妹に乞うてきた着衣はというと、

 不思議の国のアリスの衣装

 ニーハイソックス

 ベビードール

 ペトルーシュカのバレリーナ衣装を模した衣類

 大きく背中の空いた黒ワンピ

 ――つまり、マニアックで当人の性的趣向を色濃く反映したものばかりだった。

 今度はどんな無理難題を押し付けられるのかと、心底 忌々しそうに取り出したそれを両手で掲げ見るも、

(……なんだ、普通の服だ……)

 訝しげに歪んでいた灰色の瞳が、すぐにきょとんとしたものに変わった。

 アイボリー色のそれは、上質なタオルに手触りが似たパイル地で。

 どうやらノースリーブかつショートパンツタイプのオールインワンらしい。

(なんで、ゲームに勝利した末の要求が “これ” なんだろ……?)

 微かに首を傾げつつ、纏っていたマキシ丈のワンピを脱いだヴィヴィ。

 フードの襟元にあるファスナーを全開し、優しい手触りのそれに袖を通してみれば、着心地は中々良かった。

「……? ルームウェア……?」

 予告も無しに拉致した妹にはルームウェアの準備が無いだろう、と気を使っての事だろうか。

 両腕両脚と露出は多いが特にいやらしさも感じず、紙袋と着ていたワンピを畳んだヴィヴィは、そのまま匠海の元へと向かおうとし。

 しかし、鏡に写りこんだ己の全身を、偶然目に入れた途端、

「……~~っ!?」

 大きな瞳をこれでもかと見開いたヴィヴィは、声にならぬ悲鳴を上げていた。

 というのも、前から見ればノースリ・ショーパンのそれは、

 背後から見ると、フードに2本の長いウサギ耳、ヒップ部分に真ん丸な尻尾が着いた とんでもない代物だったのだ。

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