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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第13章      

「ヴィヴィ?」

 返事を寄越さぬ妹に兄の声が更に近くなったのを感じ、焦ったヴィヴィは思い付くままにポロリと零した。

「ジェ……、ジェットコースター、乗った……」

「へえ、何年振りだろうな? 怖くなかった?」

 続けられた匠海の問いに、両膝の間に突っ伏した頭が微かに頷く。

「お化け屋敷は?」

 ヴィヴィの苦手なものを熟知している匠海ならではの質問に、真っ赤な顔が僅かながら持ち上げられ。

「……こ、腰ぬけた……」

 そう馬鹿正直に答えた妹に、兄は堪え切れずに「ぶっ」と吹き出していた。

 それが引き金になってか、金色の頭の中に たった4・5日前の楽しかった思い出が ありありと蘇えり。

「温泉……たくさん、入って……」

「うん」

「樹海……散策、した……」

 求められもしないのに ぽつりぽつりと旅行の様子を語ってしまう。


 だって、匠海は前から “そう” なのだ。

 6歳も年の離れた双子の弟妹は、忙しい父母に甘えられぬ寂しさを長男へと直球でぶつけ、

 それぞれ今日あった出来事を、ずっと聞いて貰い育ってきた。

 だから匠海は自然と聞き上手な少年へと成長して、それは青年となった今も変わりなくて。


「それは楽しそうだ。放送はいつ?」

 興味津々な声音で確認してくる兄に、流石に我に返った妹は また真っ白な太ももの間に顔を隠してしまう。

(なにやってるんだ、自分は……。調子にのって……)

「……知らない……。てか、見るな」

 己の単純さを戒めつつ、匠海にも念を押したが、

「いやだ。録画して見まくってやる」

 そうムキになって返して来た相手は、ソファーの革をきしりと軋ませ、背凭れに預けていた上体を起こしてくる。

 視界が無くとも敏感にその様子を感じ取ったヴィヴィが、思わずぴくりと震えれば、

 次の瞬間 己の身に降ってきたのは、

 「チュッ」という軽いリップ音と、パイル地越しに感じた頭頂部へ何かを押し付けられた感触。

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