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禁断の果実 ―Forbidden fruits― 第2部
第14章        

「ぉっきいの……、長いの……、ん、スキ……っ」

 ちゅぷん、ちゅぷんと卑猥な挿入音を立てながら、引き締まった太ももに後ろ手を付き、腰を上下させる。

 匠海は自分のキツイそこで上下に扱かれるのを好むし、

 動画に残すなら、出し入れがきちんと映り込むに越したことはないだろう。

 一度、カリ首ギリギリまで抜き取り、ドロドロに濡れた陰茎を見せつけたかと思うと、

 またゆっくりと腰を落としたヴィヴィは、今度は金の産毛が愛らしい恥骨を擦り付け。

「ぁ、ん……っ ヴィヴィの奥、当たっちゃう、のっ」

 己の突き当りである最奥を、ゴリゴリと抉ってくれる兄の柔い先端に、恍惚の表情を浮かべてみせた。

「きもち、い……? ねぇ、ヴィヴィのナカ、いい?」

 こてと首を傾げ甘い声音で媚びる妹に対し、それを見上げる兄はというと、

 まるで「寝て起きたら痴女に犯されていた」等と主張でも始めそうな、茫然とした表情を浮かべていた。



『 “魔女” になって誘惑してでも、俺に抱かれたかった――?』



 違う、そうじゃない

 抱かれたかった のではなくて

 抱かれるしかなかった のだ

 女悪魔と蔑まされようが

 魔女の様に汚い手を使い誘惑しようが

 この兄に抱かれるしかなかったのだ


 今の自分の “唯一の心の拠り所” である

 フィギュアを続けるためには

 もう、それしか――



「悪かった……」

 投げ掛けた問いとは異なる返事。

「もう、二度としない」

 続けられた言葉は強張っていて、男らしく張り出した咽喉仏も 気のせいか震えて見えた。

「これも削除する」

 そう発しながらスマホを弄った兄は、こちらに液晶を見せてきた。

 2日前の深夜、高田馬場で突きつけられた過去の残像は、兄の長い指先でいとも簡単に消去される。

 本当に、易々と。

 まるで「自分達の過ちの数々も、たった指一本の操作で無かった事に出来る」とでも言いたげに。

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