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キスの花束を
第5章 嫉妬と誤解
「・・・・」
「本当に本気で紗江子さんが好きです。心配しないで下さい」

ツカサのそんな言葉に明日香はじっと長い時間見つめていた。

「紗江子ちゃんは―――私の大事な大事な同期なの。
凄くいい女なの。秘書課で右に出る人がいないぐらい仕事も出来るの。
そんな紗江子ちゃんが私たちの企画部のバカな課長と付き合ってたの。
男を見る目がないのよ。
だから。今度紗江子ちゃんと付き合う男はいい男じゃないと絶対にダメなの」

「うん」

「大きな年齢差でこれからいろいろな事があると思うけど。
でも紗江子ちゃんを離さないって約束できる?」
「もちろん」

やだ。私泣きそうだよ。
浅岡課長のことで、明日香や啓に心配かけてるって知ってた。
やめろという言葉も聞けなかった。
こんなに明日香が私の事を心配してるなんて。
思わなかった。

「紗江子ちゃん。さっきはひどい事言ってごめんね。
確かめたかったの。
もう、紗江子ちゃんに辛い恋愛をしてほしくないの」

そう言って明日香は私の手を握った。
「うん。分かってる」

「明日香さん。俺たち協力し合えると思います。色々」
そう言ってニヤッと笑ったツカサに明日香は
「ああ。司君、私と同類なんだ♪」
と乾杯した。

啓、一人が意味が分からないような顔をしていたけど
私には分かった。
腹グロ仲間だ・・・。

「なんで、明日香と司がメアド交換するんだ?」
と、ムッとしている啓。
あんたは呑気すぎるわ!

悪い女に捕まる前に明日香に捕まっちゃえ!
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