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キスの花束を
第1章 別れと出会い
「紗江子。今日俺の弟を呼んでもいい?」

啓が弟を飲みに連れてくるのは初めてだったから少し驚いた。

「いいけど?何?急に」

「卒業祝いに何がほしいか聞いたら紗江子と明日香の飲み会に
参加させろって言うからさ」
「はぁ?」

どこで私達の事を知ったんだか。
啓は家で私たちの事を何と言っているのか不安になる。

「社員旅行の写真を見たんだよ」
「ああ・・・」

今年の社員旅行はまだ課長を疑いもせずに
浅岡課長が大好きだったな・・・

みんなにばれないように
でも少しでも二人になりたくて。

も~!思い出したら悲しさと同時にむかついてきた!

飲み会は「任せとけ!」と
明日香と啓が言った割りにはいつもの居酒屋で。
ここって半分以上がうちの会社の人なんですけど・・・
課長の悪口言えないじゃん!

「任せとけ!」といったのは店のセレクトじゃなくて
予約する事だったらしい・・・

明日香と啓らしいわ。

私たちが飲み始めて10分もしないで啓の弟は現れた。


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