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キスの花束を
第6章 待ち伏せと不機嫌
「で?こんな恰好して校門にいた理由は?」

ドカッとソファに座ると
短い髪を触りながら冷たく言う。

「ツカサに会いに・・・」
「だから。なんで会いに来たんだよ。しかも校門に」

そんな冷たく言わなくてもいいと思う。

「メールの返事をくれないから。
前に私がメールの返事をしなかったときに
ツカサは会社の前まで来たじゃない」

あまりに不機嫌なツカサに戸惑った。

「俺と紗江子さんじゃ違うだろ?」
「何が・・!」

違うって何が?

「俺は会社の前にいても騒がれない。
紗江子さんは騒がれただろ?俺本当はまだ帰る予定じゃなかったんだぞ。
だけど綺麗な女の人が校門にいるって大騒ぎになってて。
もしかしてって教室から出てきたんだ」
「そうだったんだ。ごめん」
「本当だよ」

そんな風に言わなくたって。

「何?その格好」

浮かれ過ぎていたかなとは思う。
明日香が似合うなんてお世辞を言ってくれたから。
ついこのワンピで会いに来てしまった。
高すぎるヒールも、高校には不釣り合いなものだったのかもしれない・・・・

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