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冷たい月を抱く蝶
第3章 偽りの家族の肖像

「きみを生んだ両親は、今はどこにいるんだろう?」
「こんなに可愛い子を捨ててしまうなんて、今頃どこかで後悔しているだろうね…」
「そ、そうかしら…?」
「私は生まれて直ぐに捨てられた。私は最初から要らない子だったのよ……」
「そうとは限らないだろ?」
「お、お義父様には私の気持ちがわからないのよ…!」
私は父の何気ない一言に、思わず本音が出てしまった。
その場に居ずらくなると、椅子から立ち上がって部屋を出ようとした。すると、父が私の手を掴んだ――。
「こんなに可愛い子を捨ててしまうなんて、今頃どこかで後悔しているだろうね…」
「そ、そうかしら…?」
「私は生まれて直ぐに捨てられた。私は最初から要らない子だったのよ……」
「そうとは限らないだろ?」
「お、お義父様には私の気持ちがわからないのよ…!」
私は父の何気ない一言に、思わず本音が出てしまった。
その場に居ずらくなると、椅子から立ち上がって部屋を出ようとした。すると、父が私の手を掴んだ――。

