この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
冷たい月を抱く蝶
第4章 悲しみの記憶と…

夜に食べ物を探しに街の中を歩いていると、たまに目にする光景があった。
一軒家の窓に明かりが灯っているの。
私は何となく、その明かりに誘われて
家の外から窓をのぞくの。
家の中では家族が笑顔で笑っていた。
そして、幼い子供が父親に抱っこされて無邪気に笑っていた。
何気ない光景なのに、私は子供ながらに
そのごくありふれた光景に嫉妬した。
その子供には暖かな両親がいる。そして食べる物にも困らずに、暖かい毛布に包まれてベッドの上で安らかに眠る。
そこには恐怖なんてないんだわ。そして、夜に怯えることもない。私は家の中にいる子供が羨ましかった。
両親に守られていることに私は嫉妬して、そして、心がますます惨めになった。
あれは今でも忘れないわ。そう、あれは言葉では言い表せないくらい惨めだもの――。
一軒家の窓に明かりが灯っているの。
私は何となく、その明かりに誘われて
家の外から窓をのぞくの。
家の中では家族が笑顔で笑っていた。
そして、幼い子供が父親に抱っこされて無邪気に笑っていた。
何気ない光景なのに、私は子供ながらに
そのごくありふれた光景に嫉妬した。
その子供には暖かな両親がいる。そして食べる物にも困らずに、暖かい毛布に包まれてベッドの上で安らかに眠る。
そこには恐怖なんてないんだわ。そして、夜に怯えることもない。私は家の中にいる子供が羨ましかった。
両親に守られていることに私は嫉妬して、そして、心がますます惨めになった。
あれは今でも忘れないわ。そう、あれは言葉では言い表せないくらい惨めだもの――。

