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冷たい月を抱く蝶
第5章 少女と着物

――仕立て屋で、誕生会に着るドレスを作って貰うことになった。
オーダーメイドたがら、店員さんは手慣れた手つきで、私の体の寸法をメジャーで計った。
ジッとしているのも正直、退屈だった。
でも、せっかくお義父様が私の為に誕生会用のドレスを作ってくれるから、私は動かないように大人しくしていた。
お店の中は高級感があった。そして、華やかな生地があちらこちらに置かれていた。
私は生地を見るだけでも、楽しい気分になった。
そこに店員さんが私の所に数枚の生地を持ってきた。
目にした生地は、どれも綺麗で肌触りが良く。どこか高級感が漂っていた。
それに見た目め良かった。とくに薄いピンクの生地が素敵だった。
この生地が職人さんの手で、どんな素敵な洋服になるのか興味を抱いた。
生地を選んでいると、フと店員さんが私の顔をジッと見てきた。

