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学園物えっち短編集
第16章 カッコ良い人



慶司が戻ってきたので、私はお財布を出した。


「チケット代払うね」

「え?これたまたま家にあったやつだからいらない…懸賞か何かでもらったやつだ」

「…そうなんだ!じゃあ、貰っちゃうね!ありがとう!」

「あぁ」


こういう嘘ならちょっと嬉しいかも…。


何だか前とはまた違う慶司が見れて楽しいかも!


そういえば、この映画観て慶司泣いてたって言ってたなぁ。昔は映画見て泣くなんてなかったけど…二回目だし泣かないかな?


映画が始まって中盤を過ぎた頃だ。


すごく良いところ…


「…ちょっとトイレ行ってくる」

「あ、うん」


慶司はそう言ってトイレに行ってしまった。

……そういえば!慶司って昔から映画の良いところでトイレ行ったり、急に飲み物買いに行ったりしてた!もしかして…泣きそうになると席立つのかな?

一方映画はすごく感動的な場面で涙が溢れてくる…。

場面が切り替わった頃に慶司が戻ってきた。

そして、ハンカチを渡される。


「…ほら、これ使えよ」

「ありがとう…ヒックッ」


トイレ行った後なのに、ハンカチ乾いてる……。絶対トイレ行ってないよね?

もう、またカッコつけ切れてない!
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