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龍ちゃんの豹変
第8章 桃花の無駄な不安
「夏帆ちゃぁ~ん」

あんまり眠れなかった次の日の学校で、着くなり桃花が私に抱きついてきた。
やっぱり髪の毛はストレートにナチュラルメイクで真田くんの好みまっしぐらだ。

「ど、どうしたの!?あの後真田くんと……その…した、んだよね?」

「ん……したぁ」

「何か嫌なことされたの?」

ふるふると首を振る桃花。
耳まで赤くなる桃花を見るのは初めてだ。
私が見たことのない桃花を意図も簡単に見せる真田くんはやっぱりすごい人物なんだと思う。

「桃花……真田くんのこと……好き、みたいぃ……」

……知ってますが何か?

「……驚かないのぉ?」

「や、桃花見てたら気づくでしょ、普通」

「何で何で何でぇ?桃花なんか昨日の夜にやっと気付いたのにぃ」

桃花、あんたが遅すぎるわ。

私は桃花と非常階段まで行くと階段に座った。
ここは人通りがほとんどないので際どい話でも聞かれる心配がない。

「で?桃花は何に悩んでるの?」

「桃花……真田くんとちゃんと付き合いたいの…」

「うん」

「でも真田くんは私のこと実験動物としてしか見てないからぁ……」

……そっちはまだ気付いてないわけね。


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