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だ〜いすき!
第3章 花火大会の夜は切なくて

「そんな顔…しないで、はな」
無理に笑顔になった陽輔の表情に胸を突かれる。
もし、自分が二時間もようちゃんと連絡がとれなかったらどうだろう。
もし、もと恋人が近くにいたら?
もし、ようちゃんの自分に対する気持ちに不安があったら?
もし。
…もし。
―…もし。
小さな不安は、時間と共に大きく膨らんでいく。そな私……間違えてたんだ。
陽輔を心配させまいと口にしたその小さな嘘が、更に陽輔を心配させ、不安にさせた。
そう気づいた時、華子の瞳から溢れた涙が頬へと伝い溢れ落ちて。
「ひっ…くっ」
「だから、泣くな」
「だって……!」
陽輔に心配を掛けたことは、本当に悪かったと思ってる。だから、怒られるのは仕方無い…そう思っていた華子だったけれど。
でも陽輔のせつなげな瞳の原因……そんな顔をさせていたのもやはり自分だと知れば、その気持ちを思えば胸が苦しくなる。

