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だ〜いすき!
第2章 熱に溺れて…七夕の願いごと

さっき鼻に感じた消毒液の匂い。
その病院の匂いと、揺れていたクリーム色のカーテン。
そんな記憶を思い出すのに…。
目の前に広がるのは自宅の寝室の天井で。
―――あ、れ―…。
自分は墓掃除をしていた筈なのに…。
急に目の前が暗くなって、気が付いたら病院だったと思うのに――。
死んだはずのお父さんの声がしたような気がして――もしかしたら夢かもしれないその記憶に、どこからが本当でどこまでが夢なのか区別が曖昧になってしまう華子だ。
ゆっくりお眠り―――。
そう言ってお父さんが頭を撫でてくれたような気がするし、それはようちゃんだった気もしてしまう。
どれぐらい眠ったのだろうか――…。
まだちょっとだるいけれど、華子の躯はだいぶ軽くなっていた。

