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だ〜いすき!
第2章 熱に溺れて…七夕の願いごと

――――それにしても今日は暑い。
スーパーの外に出たら照り付ける太陽が眩しかった。朝から既に気温は30℃を越えていたけれど、さらに気温が上がっているようである。
最近は毎日猛暑日が続いていて、今年の夏は例年より暑い夏だと天気予報も言っていた。
―――あれ…?なんか、クラクラする…。
二人の住む新居にはエアコンが無く、業者に手配を頼んではいるものの、予約が一杯で設置には後3週間程掛かるようだった。そんな中、扇風機でしのぐ熱帯夜での夫婦の営みせいで、華子は連日寝不足で。軽くだけれど、今日は朝から時折目眩がしていた。
♡ ♡ ♡
「ゴメン、華子。機嫌治してよ。そうだ!暑いし、今日はお昼はうどんにしよう。華子、稲庭うどん好きだろう?」
「いいですね!そうしましょう!」
車の中は冷房が効いていて、さっきの軽い目眩は気のせいだったのかもしれない、なんて思っていた時だった。
自分の機嫌をとっている陽輔の誘いとはわかっているものの、からかわれたことに対し、いつまでも怒っているのは大人げないし、好物を食べようと誘われれば素直に嬉しい華子である。
ひとしきり新婚らしく仲良く買い物を終えた二人は、陽輔の提案で地元の有名なうどん屋の直営店へ向かった。
いつも混んでいる人気店であるその店は、少し昼時から外れた今はその客足は落ち着いてきていた。
喉越しの良いつるっとした麺は、この町に住む誰もが夏場は特に食べたくなってしまう、ソールフードだ。
趣のある引き戸の玄関をくぐれば、入ってすぐに広がるエントランス。その場所にはお土産コーナーが展開されていて、今日も観光客の人だかりが出来ていた。

