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だ〜いすき!
第2章 熱に溺れて…七夕の願いごと

「わぁ、七夕!」


エントランスの目立つ場所に設置された、立派な笹竹。その堂々とした佇まいに、思わず華子が嬉しそうな声を上げる。


―――まるで子供みたいだな。


そんな華子の素直な様子が可愛いと陽輔は思う。

設置されている竹は偽物ではなく本物の竹だった。竹の香りがすーっと鼻孔をくすぐり、鼻を通り抜ける特有の青臭い香りは、一瞬外の暑さを忘れさせ、代わりに清々しい気持ちを運んでくる。

二人が住む地域の七夕祭りは旧暦で、8月に入ってからった。
その為7月7日を過ぎた今日でも、笹竹が飾られているのである。

笹竹には吹き流しや、天の川、色とりどりの七夕飾りが飾られていた。

――試合に勝てますように
――家内安全
――おこずかいアップ

子供から大人まで、色んな願い事が書かれた短冊も吊り下げられて、空調の風に合わせて微かにたなびいている。

エントランスの隅には机が用意され、その机の上に準備された色短冊とペンがあり、“ご自由にお書き下さい”そう書かれた貼り紙が、願いごとをするよう二人を誘っていた。


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