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あたかも普通の恋愛小説
第12章 奈落、注意報
途端に飛んできたのはデコピン。私のオデコにびしっ!って。堅い音がした。あ痛!
「痛 ぁ…いっ!」
私が両手の指先でオデコを押さえ込み撃沈すると、井藤くんは細い目のまま白けた声で呟いた。
「天然か」
「ひどぉい、いたいよ井藤くんっ」
涙目で抗議をしたら、「あー、はいはい」とか適当に流されてぞんざいに頭をわしわし撫でられた。
「イタイのイタイのとんでけー」
「棒読みだしー」
「ついでに発想がイタイのも飛んでけー」
発想がイタイとか言われて私は赤面。どうやら勘違いでした、良かったような何だこれ。
「だって井藤くんがぁ」
「次は容赦ないから。発言気をつけてね」
「え。スイマセンデシタ……え?私が気をつけなきゃなの?あれ?」
何だかわからないけど井藤くんのペースに持っていかれてない?
「小鳥ちゃんの不用意な発言が元で俺に変な噂がたったら責任とってもらうよ?名誉毀損だよ」
「あう。急に難しいこと言わないで」