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あたかも普通の恋愛小説
第19章 あたかも普通の恋愛小説
いろんなことがなんやかんやあった気はするけど、ついに私も結婚出来るのかと思うとすっごく不思議な気分。
ほんとにこのまま結婚出来ちゃうのかな?
「幸せすぎで恐いんだけど」
「いや。けっこう問題だらけだと私は思うけど……アンタの目にはたいした問題として認識されてないわけね」
「ん?」
朗太のことやお母さんのこと、梨花子には自分だったら絶体無理!とか言われてしまった。あんな素敵なひとたちなのに。意味わかんない。
「あーはいはい、わかったわかった。おめでとう」
「なんか投げやりなんですけどー」
膨れっ面を返すと梨花子はため息をついた。
「とりあえず今日は私のおごりでいいから、どんどんお飲み」
「わぁい」
「酔っ払ったら王子様呼んであげるから」
たちまちニコニコの私ってば単純かしら。
色んなひとがいて、色んな恋愛があって、色んな紆余曲折があって、色んな結末になる。皆が皆は納得が出来る形ではなかったとしても。きっとこんな恋愛もアリでしょ。
私は私。真壁小鳥になっても、ずっとこの恋が続きますように。
「乾杯っ」
「はいはい、乾杯乾杯」