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あたかも普通の恋愛小説
第9章 鳥籠アイアンメイデン
「有益な情報ありがとーね。私、明日は本社で研修だからそろそろ帰る」
「わかったー。とりあえず用心なさいよねー」
梨花子と別れて帰る途中、真壁さんから電話が来た。
今日はなにしてた?とか、他愛ない話をしながら、私の様子を聞いてくれる。うふふ。
「そのうち真壁さんにも、梨花子紹介しなきゃー」
『いや別にいいよ。友達にまで紹介してくれなくて』
友達に紹介したせいで恋人をとられた~なんて話は時々きくけれど。私は梨花子も真壁さんも信用してるからぜんぜんピンとこないな。
…もしかしたら真壁さんの好きな子とか、井藤くんに横取りされたことあるのかなぁ。でも、もしそうだったら『いい奴』なんて言えないわよね。
『気を付けて帰って』
「うん。忙しいのにお電話ありがと」