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あたかも普通の恋愛小説
第9章 鳥籠アイアンメイデン


そして呟く一言。


「だといいんだけどねー」


……どういう意味。


やだ。また黙っちゃった。せめて笑って冗談にしてくれたらいいのに。あれ。おかしいな。話の流れがよくわからない。だってもう彼女を食べないなら、それでわかるところだったのに、何で最後に全否定とも取れるナゾを残すわけ?


なんか。急に居心地悪くなっちゃう。


「あのー……。真壁さんは井藤くんにとっていいお友達ってことですよね?」

「…………」


なんで急に無口。むむ、っと思いつつ私は質問を続けた。


「真壁さんと付き合うことになった私を狙う理由はないですよね?」


だって。ねえ?


「……どうしたもんかねぇ」

「なんでそこ優柔不断ですか」


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