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大地の恋
第4章 再会
そして俺たちの会話は一度途切れた。



「……元気だったか?」


「お陰様で…大地は?こっちに戻ってきたんだって?」


「ああ」




……俺は真優と会って話したら…あの頃の気持ちが溢れ返るんじゃないかとずっと怖かった。



「お前変わらないな」


「ええっ、本当?」


「本当、子供二人産んだって聞いてたからもっとババアになってるかと思った」


「酷っ!…大地は貫禄が出たね」


「それこそ年とったって言いたいのか?」


「ううん、いい感じに落ち着いたってこと」


真優の笑顔は昔と全く変わってない。
少なくとも俺はこんな風に真優と話せるとは思っていなかった。


「……座れば?」


「えっ、ああ…」



勧められて真優と並んで公園のベンチに座る。



「何か懐かしいな」


「……だね」


まだ制服を着ていた頃の俺たちもこんな風に並んでこのベンチに座ってたから。
でも今はあの頃より二人の間に距離がある。



二人を吹き抜ける風はすっかり秋のもので、副担任が悠月の上着を取りに行ったのも頷けると思った。



…すると離れた場所で遊んでいた悠月が何かを見つけた顔で俺のところに寄ってきて手を差し出す。



「ん?」


反射的に俺も手を出すと悠月は手のひらに何か小さなものを乗せる。



「アリ…忘れた訳じゃなかったんだな」


笑いが止まらない俺を真優は不思議そうな顔で見ている。


「前面倒見たときも俺に一生懸命アリ捕ってくれたんだよ」


「そうだったんだ……」


「虫とか動物が好きなのな?潰してるけど」


「うん、父親譲りでね」


フフっと真優が笑った。



「へえ…見えないもんだな」


「ああ見えて生物の先生なんだよ。特に犬が大好き」


「コイツもよーく犬見てたな」



「でしょ?この子も犬が好きなんだよね」



話ながら俺は不思議で仕方なかった。
どうしてこんなに穏やかでいられるのだろう…


「おまえは?まだ先生やってんの?」


「ううん、同じ学校だったから結婚して非常勤になって…悠月がお腹にできた年で辞めて今は専業主婦」


「へー」


「いつかはまた復帰したいけど今は子供が小さいから」




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