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斉藤太一です
第11章 夏休み




お父さんのお店が
お客さんで
いっぱいになったら

お父さんは
しずくとママを
迎えに来てくれるんだよ


だから


それまで
待っていようね


お父さんの
お仕事の邪魔を
しちゃいけないから

会いに行ったりしないで
お利口さんで
待っていようね






かすみは
しずくに
そんな風に話をしていたんじゃ
ないんだろうか・・・



だから

しずくは
ママに内緒で
僕に会いに来てるんじゃないのかな



そして

早く迎えに来て欲しくて
お店にお客さんを
呼ぶために



張り紙を・・・。






コーヒーカップを
テーブルの端に寄せ


僕は

しずくが書いてくれた
張り紙を広げた




おばぁちゃんにも
ママにも
見つからないように


カバンの中に
隠して持ってきてくれたんだろう


その画用紙は
小さくたたまれていて
しわくちゃになっていた




明日

アイロンをかけて



店の前に
貼っておこう






しずくが店に来た時


すぐ見つけられるように






しずくの目線の高さに合わせて。







そして

しずくに
聞いてみよう









かすみは

元気なのか






どうしているのか





どこに・・・いるのか。






おとーさん
知らないの?




そう言われてもいい




僕は
約束したんだから





いつでも
かすみを
助けるからって

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